自転車の車道走行はマナーではなくルールです
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最終更新日:2018/10/09
自転車・サイクリング
自転車はどこを走るべきか、知っていますか?
近頃、テレビのニュースなんかでも取り上げられるようになったので、
知っている人も多いかと思いますが、正解は「原則として、車道の左端」です。
道路交通法(通称:道交法)で定められています。
歩道はあくまで例外的に認められた条件のもと、歩行者の妨げにならないように徐行して通行することができるということになっています。
ワイドショーなどで自転車の話題を取り上げられるとき、「自転車は車道の左を走るのがマナーです」というような紹介をされることがありますが、実際にはマナーではなくルールです。
逆走や歩道を暴走するのは、マナー違反ではなく、明確なルール違反。つまり、違法行為です。
まだ例は少ないようですが、逮捕や罰金などの処分をうける例もあるので注意が必要です。
では、実際にどこを走ればいいのでしょうか?
「白線の50cm~1m右側」を走ろう
自転車が走るべき「車道」とは、白線の右側と考えるべきです。
白線の左側には「路側帯」や「歩道」があります。
僕が初心者の方に教えるときは、「白線の50cm~1m右側」と案内しています。
これにはいくつかの理由があります。
「白線の50cm~1m右側」の理由
道交法を守るため
まずは、道路交通法上の指定を守るためです。当然ですね。
避けるための空間を確保するため
次に自分の左側に空間を保つためです。
左側に空間があると、後ろから自動車が来た際に左側へ避けることができます。
路側帯を走っていると後ろから自動車が来ても、それ以上、避けることができません。
これは非常に重要で、自動車の運転者からすると「あの自転車、邪魔だなぁ」と思った時に、スッと自転車が左に寄る動きがあれば、「あの自転車は道を譲ってくれた」という印象になります。
しかし、最初から路側帯を走っていると避けることができないので「あの自転車、譲る気ないのか!?」と反感を持たれてしまいがちです。
実際にはどちらの場合も自動車が通る幅は一緒なのですが、ドライバーからの印象が全く変わるので、前者のほうがスピードを落としてゆっくりと抜いてくれる可能性が高まります。
パンクのリスクを減らすため
また、道路は構造上、砂利やゴミが路側帯に流れるように設計されています。
そのため、雨上がりの路側帯は、砂利やゴミが浮いていてパンクのリスクが上がります。
僕が推奨する白線から50cm~1m右側というのは、ちょうど自動車の左タイヤが通る轍にあたります。
轍にはあまり砂利やゴミが落ちていることはないので、安心して走ることができます。
安全走行の基本は「譲り合い」
これを基本にして走りながら、道路状況などによっては広い路側帯を走ったり、自転車通行可の歩道を徐行したり、ケースバイケースで安全な道を選びましょう。
最近では自転車専用レーンの整備なども進んできましたが、まだまだ完全とはいえません。
限られた道路空間を歩行者、自転車、自動車その他でシェアしていく必要があります。
お互いに譲り合って、安全で快適な走行を!
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