自転車で膝が痛いときにやるべきこと(その1)
公開日:
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最終更新日:2018/10/17
自転車・サイクリング
自転車は膝にやさしいってホント?
「自転車は膝にやさしい」とよく言われていますが、これは正しくもあり、間違いでもあります。
このブログでは過去記事「整形外科医の常識!自転車は足・膝・腰にやさしい」の中でも説明しています。
しかし、自転車で膝が痛いという訴えは非常に多いのです。なぜでしょうか?
それには自転車特有の問題が隠れています。
一般的に歩いたり走ったりして膝が痛くなるのは、膝の関節面にかかる荷重が問題になることが多いです。
この関節面への荷重量は自転車の場合小さくなるので、膝にやさしいと言われています。
しかし、それ以外の原因による膝の痛みについては、他のスポーツと同じように起こりえます。
それどころか、自転車は同じ動作の繰り返しなので、小さな問題でもダメージが蓄積されて痛みに繋がる可能性が高いスポーツでもあります。
痛みが出てしまったらRICE処置
自転車で膝が痛くなるのは、ほとんどの場合は何らかのダメージによって起こる炎症です。
炎症は起こってしまったら、まずは鎮めなければなりません。
そこで必要となるのがRICE処置です。
- Rest(安静)
- Icing(アイシング、冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
炎症を抑えるのに効果的な4つの応急処置のそれぞれの頭文字を取ってRICEです。
4つすべてを行うのが理想ですが、実際には難しいので出来るものだけで構いません。
Rest
まずは安全なところで自転車から降りて、休みましょう。
座り込める場所を探してください。
Icing
痛みのある部分を冷やします。
理想はコンビニなどで、氷(袋入りロックアイスなど)を買って、それをあてがってアイスマッサージを行います。
※凍傷には気をつけてください。
氷が手に入らない場合は、ボトルの水を患部にかけるだけでも構いません。
Compression
これは現地では難しいので無視でも構いません。
専用の包帯(バンテージ)やサポーターが必要になります。
Elevation
可能であれば横になって、脚を椅子などの上に置いて患部を高くします。
患部を心臓よりも高い位置にするのが基本ですが、横になるだけでも、足を伸ばして座るだけでも構いません。
まとめ
自転車に乗っていて、膝が痛くなったら、まずは上記のRICE処置を行ってください。
なお、このRICE処置は膝だけでなく、炎症全般に対する共通の処置ですので、他の部位が痛い時にも使えます。
ロングライドなどから帰ってきて、「明日、筋肉痛になりそうだなぁ」という時には筋肉に対してRICE処置をしてあげると筋肉痛を抑制できるという研究結果も出ています。
プロ野球のピッチャーが投げ終わった後、肩をアイシングしているのを見たことありませんか?あれと同じです。
僕はロングライド後には必ずRICE処置をして、使った筋肉のケアをするようにしています。
次回は、どのようにその痛みを解決していくか紹介していきます。
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