自転車で膝が痛いときにやるべきこと(その5)
公開日:
:
最終更新日:2018/10/19
自転車・サイクリング
自転車で膝が痛いときにやるべきこと(その1)、(その2)、(その3)、(その4)からの続きです。
今までシリーズでお送りしてきた「膝の痛み」シリーズですが、今回は最終回として「膝の内側の痛み」「気をつけるべき痛み」をご紹介していきます。
膝の内側の痛み
まずは、今まで紹介していなかった膝の内側の痛みです。
膝の内側の痛みとして、自転車乗りに多いのは「鵞足炎」と呼ばれる症状です。
縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉の腱が集まって、一つの束になって膝の内側に付着します。
鵞足炎とは、その部分で局所的にストレスが蓄積されて痛みを生じるものです。
多いのは、膝が内側に入りすぎてしまうことによって、内側で腱が擦れてしまい損傷するパターンです。
ちょうど、以前に紹介した腸脛靭帯炎と真逆のパターンですね。
しかし、膝が外を向いている人でも鵞足炎はあります。
鵞足に集まる3つの筋肉はそれぞれ複雑な働きがある筋肉で、鵞足炎と一口に言っても様々なパターンが有ります。
鵞足炎には様々なパターンがあるため、自分で原因を見極めるのは難しいでしょう。
解決への一番の近道は専門家へアドバイスを求めることです。
気をつけるべき痛み
膝は非常に大きな力がかかる関節であり、その構造も複雑であるため様々なパターンの痛みが生じやすい関節です。
今まで紹介してきた他にも注意が必要な膝の痛みがいくつかあります。
3日以上続く痛み
まず、3日以上痛みが続く場合です。
一般的に単純な炎症は、安静を保てば72時間で軽減すると言われています。
つまり、ちゃんと休んでいるのに3日で痛みが引かない場合はただの炎症ではなく、何らかの器質的な損傷があるという事になります。
こうなってしまうと医療的な治療が必要なレベルです。
引っ掛かり感
痛みの程度がそんなに強くない場合でも、関節内に引っ掛かり感がある場合には注意が必要です。
半月板損傷や関節内軟骨の損傷など、関節内で何らかの損傷や変形があると膝を曲げ伸ばししたときに引っ掛かり感を感じることがあります。
自転車が直接の原因になることは少ないですが、他のスポーツや日常生活で痛めた場合でも自転車で痛みを伴うことがあります。
治ったと思っていた古傷でも自転車で繰り返し繰り返し同じ運動を繰り返すことで炎症が再発するというパターンもあります。
たとえ、今は痛みを伴っていなくても引っ掛かり感がある場合は要注意です。
専門医に寄る適切な診断・治療を受けることをオススメします。
場合によっては、しばらく自転車禁止と言われることもあるかもしれませんし、手術が必要と言われる場合もあるでしょう。
まとめ
これまでシリーズで自転車で起こりうる様々なタイプの膝の痛みを取り上げてきました。
痛みがあるとスポーツ自転車に乗るモチベーションも下がり、自転車をやめてしまうキッカケとなってしまいます。
適切な対処を知って、実践することが重要です。
関連記事
-
「輪行」って何?自転車を電車に載せて運ぶ
あなたはスポーツ自転車で走りに行く時、どこをスタートにして、どこをゴールにしますか? 多くの場
-
整形外科医の常識!自転車は足・膝・腰にやさしい
「メタボって言われたら自転車の始め時ですよ」で、医者に自転車を薦められる話を紹介しましたが、基本的に
-
自転車の最大の敵?「坂道」があらわれた。たたかう?にげる?
目の前に「坂道」があらわれた!どうしますか? たたかう?にげる? これは自分の脚力や趣向によって
-
自転車の車道走行はマナーではなくルールです
自転車はどこを走るべきか、知っていますか? 近頃、テレビのニュースなんかでも取り上げられるようにな
-
なぜ、坂を登るのか?ヒルクライムレース
坂道は好きですか? 僕は正直、あまり好きではありません。 でも、世の中には、坂道を自転車で登るこ
-
自転車人の誰もが通る道 お尻の痛み
スポーツ自転車を乗る人たちの悩みで一番多く寄せられているのが「お尻の痛み」問題です。 初心者からベ
-
【まとめ】スポーツ自転車のジャンルを整理してみた
読者の方から「スポーツ自転車っていっぱい種類があって、よくわからない」というご意見をいただいたので、
-
自転車に乗ると手が痛い人にチェックしてほしいこと
スポーツ自転車初心者からの痛みの訴えとして、多いのはお尻、手のひらまたは手首です。 お尻の痛みに関
-
1歩先を見据えたクロスバイクの選び方
スポーツ自転車に興味を持っている人なら「クロスバイク」という名前は聞いたことあるのではないでしょうか
-
自転車で膝が痛いときにやるべきこと(その2)
自転車で膝が痛いときにやるべきこと(その1)からの続きです。 前回は自転車で膝が痛くなった時に
- PREV
- 自転車で膝が痛いときにやるべきこと(その4)
- NEXT
- 冬もスポーツバイクに乗りたい!冬用ウェアの話